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脳卒中の後遺症と痛みについて

更新日:1月28日



脳卒中の後遺症と痛みについて

脳卒中は、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血という3つの疾患から成り立ちます。いずれも脳に深刻なダメージを与えるため、さまざまな後遺症が残ることがあります。


その中には、手足の麻痺、言語障害、飲み込みの困難といった機能的な問題に加え、「痛み」という症状も含まれます。本稿では、脳卒中後の痛みの原因と対策について解説します。


脳卒中後の痛みの原因

脳卒中後に見られる痛みにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる原因によって引き起こされます。


 1. 神経因性疼痛

脳卒中によって脳が損傷を受けると、感覚神経に異常が生じることがあります。この状態では、触れるだけで強い痛みを感じたり、温度や冷たさを過剰に痛みとして認識したりする「神経因性疼痛」が発生します。これは、脳がダメージを修復しようとする過程で誤作動を起こすことが原因とされています。


 2. 筋肉の緊張による痛み脳

卒中後には、麻痺した筋肉が異常に緊張したり、力が入りすぎたりする「痙縮」という状態が見られます。この緊張が長時間続くと筋肉が疲労し、痛みを引き起こします。たとえば、鉄棒にぶら下がり続ける際に腕が痛むような感覚のイメージです。


3. 関節の拘縮による痛み

麻痺によって関節が動かされない状態が続くと、関節が硬くなり動きが制限される「拘縮」が起こります。錆びついた関節を動かすような感覚で痛みが発生します。


 4. 関節の亜脱臼による痛み

筋力の低下により、特に動きの多い肩関節が亜脱臼することがあります。肩関節がずれると、その部分を動かすたびに痛みが生じることがあります。


 5. 代償動作による痛み

麻痺していない側の手足や体幹が過剰に使われることで、筋肉の疲労や関節の負担が蓄積し、痛みを引き起こします。


6. 心因性の痛み

脳卒中による精神的な負担やストレスが原因で、実際には損傷がない部分に痛みを感じることもあります。


脳卒中の痛みに対するリハビリと治療のアプローチ


脳卒中の痛みに対するリハビリと治療のアプローチ

脳卒中後の痛みに対する治療は、原因や症状に応じてさまざまなアプローチが取られます。しかしながら、万人に共通する「絶対的な治療法」はなく、個別に適した方法を見つける必要があります。


1. リハビリテーションによる対策

・関節拘縮の予防と改善:関節が硬くならないよう、早期からストレッチや関節可動域訓練を行います。

・筋肉の強化:亜脱臼の予防や改善のために筋力トレーニングを行います。

・代償動作の緩和:ストレッチや姿勢調整により、麻痺していない部分の負担を軽減します。


 2. 薬物療法

・鎮痛薬:痛みを緩和するために処方される薬。

・神経ブロック注射:痛みの原因となる神経の働きを一時的に止める治療法。

・抗痙縮薬:筋肉の緊張を和らげる薬物。


3. その他の治療法

・ボツリヌス療法:痙縮の改善を目的として、筋肉にボツリヌス毒素を注射する治療法。

・理学療法:温熱療法や電気刺激療法などを用いて、痛みを軽減します。


脳卒中の自費リハビリの有効性


脳卒中の自費リハビリの有効性

保険で受けられるリハビリには限界があり、特に時間や頻度に制約があります。一方、自費リハビリは、質と量の両方を重視したアプローチを提供できる点で有効です。


1. 経験豊富なセラピストによるリハビリ

肩関節の亜脱臼や拘縮の治療には高い専門性が求められます。自費リハビリでは、熟練したセラピストが個々のニーズに応じたリハビリを提供します。


 2. 保険リハビリで不足する部分を補完

保険リハビリでは限られた範囲でしか対応できない拘縮や痙縮に対して、自費リハビリは柔軟かつ集中的なプログラムを提供します。


3. 継続的なケアの提供

費リハビリでは、患者さんが納得できるまで痛みに対するアプローチを継続できます。


まとめ

脳卒中後の痛みは、神経性疼痛、筋肉の緊張、関節拘縮、代償動作など、さまざまな要因によって引き起こされます。


これらの痛みに対して、リハビリや薬物療法、さらには自費リハビリといった多角的なアプローチが重要です。患者さん一人ひとりの症状に合わせた治療法を見つけることが、痛みの軽減と生活の質の向上につながります。


自費リハビリは、保険リハビリの制限を補完し、患者さんが納得のいく治療を受けるための有効な選択肢です。痛みに悩む方は、ぜひ専門家に相談し、適切な治療法を模索してみてください。


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