脳卒中後遺症の痙性、朝に症状が強くなる理由とリハビリの工夫
- 5 日前
- 読了時間: 4分

毎朝の「最初の一歩」がうまく出ない、そのもどかしさ
おはようございます。朝、目が覚めて窓から差し込む光を感じたとき、今日という一日の始まりに少しの不安を抱くことはありませんか。
「今日も体が重いな」「トイレに行きたいけれど、最初の一歩がうまく出ないな」。
お布団から出ようとする瞬間、自分の意志とは裏腹に体の一部が石のように硬く感じられ、動き出すまでに時間がかかる。
そんなもどかしさと孤独な戦いを、毎朝続けておられる方は決して少なくありません。
なぜ朝は体がガチガチになるのか。眠りと姿勢の関係

なぜ、朝目覚めたときに体がガチガチに固まった状態になるのでしょうか。
それは、私たちが眠っている間の「姿勢」と、体の仕組みに理由があります。
脳卒中の後経験には、「痙性(けいせい)」と呼ばれる筋肉のつっぱりが現れることがあります。
日中、起きている間は、姿勢を意識したり、さまざまな工夫を重ねることで、そのつっぱりをある程度和らげ、動きやすくする対策をとることができます。
しかし、夜寝ている間は無意識の時間です。自分で意識して姿勢を直すことができません。
寝返りを打つのが難しい場合、仰向けや、あるいは麻痺していない側を下にして横向きに寝るという、限られた姿勢が長く続きます。
仰向けで寝ていると、手足が伸びきったままの姿勢が固定されたりするパターンが多く見られます。
その状態が何時間も続くことで、夜のうちに自然と筋肉につっぱりが現れ、朝を迎える頃には筋肉が縮んで固まった状態になります。
ですから、朝一番に体が動かないのは、決して努力が足りないからではありません。無意識の時間のことは、誰にもコントロールできないのです。
まずは「今日も一晩、よく体を休めることができた」と、ご自身を優しく労わってあげてください。
その上で、朝の時間を少しだけ心地よくスタートするための、ささやかな習慣があります。
起き上がる前に。お布団の中でできる「体へのおはよう」
それは、本格的な運動ではなく、ご自身の体への「おはよう」の挨拶のようなものです。
朝目が覚めても、すぐには起き上がらず、まずはお布団の中で「これから少し体を動かすよ」とご自身の体にゆっくりと語りかけ、心の準備をします。
寒い冬はお布団の中で、暑い夏は掛け布団を軽く剥がした状態で構いません。
次に、動かしやすい方の手足を使って、少しずつ体をほぐしていきます。まずは膝の曲げ伸ばしです。
動かしやすい方の足で、もう片方の足を下から手伝うようにして、優しく膝を曲げたり伸ばしたりします。
その後、両膝を立てた状態を作り、そのままゆっくりと左右に膝を倒します。
腰の周りを左右にひねるように優しく揺らすことで、全身のこわばりが少しずつ解けていくのを感じられるはずです。
このひと時を挟むだけで、その後の寝返りや起き上がり動作が驚くほどスムーズになります。
ベッドに座ったら。かかとをつけるだけで立ち上がりが変わる

起き上がってベッドの端に座った後も、ほんの少しの工夫で立ち上がりが楽になります。
座った姿勢で、足のかかとがしっかり床についているか確認してみてください。
もし浮いているようであれば、動かしやすい方の手で、もう片方の膝を上からぐっと体重をかけて押し、かかとが床につくように優しく促します。
このとき、足がガクガクと小刻みに震える現象が出ることがあります。
これは体が自然に反応しているだけですので、驚かなくて大丈夫です。
そのまま少し強めに体重をかけ続け、震えが自然に収まるのをじっくりと待ってあげましょう。
かかとがしっかりと床についたことを確認してから立ち上がると、足元に安心感が生まれ、お着替えやトイレへの移動へと自然に繋がっていきます。
一日の生活の中で、朝一番の時間が最も体が動きにくく、ハードルが高く感じるものです。
しかし、この最初の時間を少しの工夫で穏やかに過ごせると、その後の活動がスムーズに流れ出し、一日をより前向きな気持ちで過ごすことができます。
大きな山を急いで登る必要はありません。一晩で固まった体を、毎朝少しずつ心地よい状態に戻してあげること。
1ミリの積み重ねが、今日の一歩を支える
その「1ミリの積み重ね」が、今日を支え、明日の歩みを作っていきます。
うまくいかない日があっても大丈夫です。焦る必要はありません。
ご自身の体と優しく対話するようなこの朝の習慣が、少しでも心地よい一日の始まりの助けになればと願っています。
📌無料 脳卒中リハビリ相談 「NIDE脳卒中リハコンサルティング」 のご案内
📌「NIDE脳卒中歩行アカデミー」 のご案内






コメント