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脳卒中リハビリ:筋力と随意性、そして自費リハビリの可能性


脳卒中リハビリ:筋力と随意性、そして自費リハビリの可能性

脳卒中リハビリでは、身体機能の回復を目指しながら、生活の質を向上させることが目標です。


「手足をもっと動かせるようにしたい」「見た目もきれいに歩きたい」といった細かな希望がある方には、自費リハビリが大きな可能性を提供します。


本日は、「筋力」と「随意性」を中心としたリハビリの基本と、自費リハビリの魅力についてお話しします。


脳卒中とは?



脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりすることで、脳にダメージを与える病気です。脳卒中には次の3つの主なタイプがあります。


1. 脳出血:脳内の血管が破裂し、出血によって脳を圧迫する状態。

2. 脳梗塞:血管が詰まり、血流が途絶える状態。

3. くも膜下出血:脳を包む膜(くも膜)の下で出血が起こり、脳を圧迫する状態。


これらは、手足の麻痺や感覚障害といった目に見える症状から、判断力や性格の変化など目に見えない障害まで、多岐にわたる影響を及ぼします。


脳卒中のリハビリは、この幅広い障害に対応し、機能回復と生活の質向上を目指して行われます。


筋力と随意性の違い:リハビリの基本

筋力と随意性の違い:リハビリの基本

脳卒中リハビリでは、「筋力」を鍛えるだけでは不十分です。「筋肉をどの程度意図通りに動かせるか」を意味する「随意性」を重視することが大切です。


随意性とは?

随意性とは、脳が筋肉に正確な指令を送る能力を指します。脳卒中では、この随意性が低下し、「動かしたいのに動かせない」という状態が生じます。この状態では、筋力を鍛えるだけでは効果が限定的で、随意性を引き出す練習が必要です。


随意性と筋力のリハビリ段階

・随意性の低い段階(ブルンストロームステージ1~3) 

不随意運動が目立つこの段階では、無理に筋力を鍛えるのではなく、筋肉を動かす感覚を取り戻すリハビリが中心です。


・随意性が高まる段階(ブルンストロームステージ4~6) 

随意性が向上すると、筋力トレーニングが効果を発揮します。動作のスムーズさを高める練習が、日常生活の改善につながります。

※本来はローマ数字(Ⅰ~Ⅵ)で表記されますが、ここでは便宜上英数字(1~6)を使用します。


ブルンストロームステージと段階的リハビリ


ブルンストロームステージと段階的リハビリ

脳卒中リハビリでは、麻痺の程度を示す指標としてブルンストロームステージが用いられます。


ステージ1(完全麻痺)   

筋肉の収縮が見られず、動かせない状態。反射的な動きを利用して筋肉を活性化させます。


ステージ2(わずかな筋収縮)   

不随意運動が多く見られる段階。筋肉の動きを引き出す練習を行います。


ステージ3(随意運動の開始)   

関節を複数同時に動かせるようになりますが、不随意運動がまだ強い状態です。


ステージ4(個別の関節運動が可能)   

筋力トレーニングを始める段階。動作のスムーズさを高めるリハビリが進みます。


ステージ5(運動のスムーズさ向上)  

装具なしで歩行が可能になるケースが増えます。筋力とバランスの向上が目指されます。


ステージ6(健常に近い動き)   

麻痺があまり目立たない状態。日常生活での完全自立を目標にリハビリを進めます。


保険リハビリの限界

日本の保険制度に基づくリハビリは、日常生活を自立して送れるようにすることが目的です。そのため、以下のような制約がある場合があります。


1. 麻痺した手足よりも麻痺していない健側に頼るリハビリ

麻痺した手足が動かない状態でも、健側を使って身の回りのことをこなせるようにする訓練が中心となります。


2. リハビリ時間の制約

保険で受けられるリハビリの期間には制限があり、回復期リハビリテーション病院を退院した後は、十分なサポートを受けられなくなるケースもあります。


これにより、「もっと麻痺した手足を動かせるようにしたい」「きれいに歩けるようになりたい」といった希望に十分応えられない場合があります。


自費リハビリのメリット

自費リハビリは、保険リハビリでは対応しきれない細かな希望にも応えることができる、魅力的な選択肢です。具体的には以下のようなメリットがあります。


1. 麻痺した手足の動きの改善に特化

自費リハビリでは、麻痺した手足の動きを改善することを目的に、随意性の向上と筋力強化に重点を置いたトレーニングが可能です。


 2. 見た目や動作の質の向上

「歩き方をきれいにしたい」「見た目を改善したい」といったニーズにもきめ細かく対応できます。バランス練習や姿勢矯正を通じて、より自然な動作を目指します。


 3. 熟練の理学療法士による指導

自費リハビリでは、筋力と随意性の違いと、多くの回復の流れを熟知したベテランの理学療法士が指導にあたります。そのため、満足度の高い個別サービスが提供されます。


4. 利用者のペースに合わせたリハビリ

保険リハビリのような制約がなく、利用者のペースや目標に合わせたリハビリが可能です。「時間をかけてでも、もっと良くなりたい」という方に最適です。


まとめ:自分に合ったリハビリを選ぶ

脳卒中リハビリは、筋力と随意性の向上を通じて、生活の質を高めることを目指します。


保険リハビリと自費リハビリにはそれぞれの特徴がありますが、「もっと手足を動かせるようになりたい」「自分らしい生活を送りたい」という希望がある方には、自費リハビリが大きな可能性を提供します。


もしリハビリに関して不安や疑問があれば、ぜひ専門家に相談してください。あなたに最適なリハビリ方法を見つけるお手伝いをします。一歩一歩の積み重ねが、より良い未来への道を開きます。


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