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脳卒中とブルンストロームステージ理論


脳卒中とブルンストロームステージ理論

脳卒中は、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血という3つの病態から成る病気です。それぞれの病態が脳に異なる損傷を与え、その結果、麻痺や後遺症が残ることがあります。


この麻痺の回復過程を評価し、リハビリテーションを進めるための指標の一つにブルンストロームステージ理論があります。


本稿では、ブルンストロームステージの概要と、それに応じたリハビリの進め方について解説します。


注意事項

ブルンストロームステージは、本来ローマ数字(I~VI)で表記されます。本稿では分かりやすさを考慮し、アラビア数字(1~6)を用いて説明しています。


ブルンストロームステージの背景


ブルンストロームステージの背景

ブルンストロームステージは、スウェーデンのリハビリ研究者であるシグル・ブルンストロームによって提唱された理論です。


この理論は、脳卒中後の麻痺の回復過程が特定の段階を経て進むことを示しています。重要なのは、このステージが必ずしも直線的に進むわけではないという点です。


脳の損傷部位や程度、患者のリハビリへの取り組み方により、段階が飛ぶことや、途中で進行が止まることもあります。


ブルンストロームステージの概要

ブルンストロームステージは、脳卒中後の麻痺回復段階を1~6のステージで表す理論です。このステージは、上肢(肩・肘・手首)、手指、下肢(股関節・膝関節・足首)ごとに適用されます。


各ステージの概要は以下の通りです。


・ステージ1:筋肉が全く動かない状態。

・ステージ2:意識とは無関係に反射的な筋肉の動きが出現。

・ステージ3:自力で動かせるが、関節が連動してしまう。

・ステージ4:2つの関節を独立して動かせる。

・ステージ5:3つの関節を独立して動かせる。

・ステージ6:健常側に近い動きが可能だが、ぎこちなさが残る。


脳卒中のリハビリの進め方

ブルンストロームステージは、患者の麻痺の状態に応じたリハビリの計画を立てるために活用されます。たとえば、ステージ1や2では、関節が硬くならないようにする予防的な動きを中心とし、ステージ4以降では動作の質を高めるトレーニングが行われます。


急性期

急性期の病院では、命を守る治療が最優先されます。関節が硬くならないよう軽度の運動や動きを中心としたリハビリが行われます。この段階では、体を動かすこと自体が困難な場合が多く、主に理学療法士による受動的な関節運動が中心になります。


回復期

回復期リハビリテーション病院では、ブルンストロームステージの程度に応じて目標を設定し、日常生活動作(ADL)の向上を目指した訓練が行われます。具体的には、ベッドからの起き上がりや、トイレ動作、食事動作の訓練が含まれます。


在宅期

退院後の在宅リハビリでは、患者が実際の生活環境で自立した生活を送れるよう、リハビリの目標がさらに具体化されます。しかし、保険内リハビリでは週2~3回の訪問が一般的で、頻度や内容に限界があるのが現状です。


脳卒中の自費リハビリの役割


脳卒中の自費リハビリの役割

退院後、介護保険を利用した在宅リハビリでは対応が難しい領域を補完するのが自費リハビリの役割です。


自費リハビリのメリット

・個別対応:ブルンストロームステージを最大限に活かした患者一人ひとりの目標に合わせた柔軟なプログラムを提供。

・高頻度のリハビリ:週5~6回のリハビリや、土日祝日にも対応可能。

・社会復帰支援:電車やバスの利用練習、人混みでの歩行練習など、保険内では難しい実践的な訓練を行える。


具体例例えば、右手に麻痺が残った患者が「もう一度箸を使って食事をしたい」と希望した場合、保険内では主に食事の代償方法(左手で食べる訓練など)が行われます。しかし、自費リハビリでは右手の回復を目指し、細かい動作の練習を重点的に行うことが可能です。


ブルンストロームステージの注意点

ブルンストロームステージは麻痺の回復段階を客観的に評価するための指標ですが、これが全てではありません。以下の点に注意が必要です。


1. 個人差が大きい   

回復の速度や最終的なステージは、脳の損傷部位、リハビリの質、患者自身の意欲などにより異なります。 


2. 直線的な進行ではない   

必ずしも1から順番に6まで進むわけではなく、途中で進行が止まったり、逆戻りすることもあります。


3. 質と量のバランス   

リハビリの頻度(量)を確保しつつ、質の高いトレーニングを提供することが重要です。


まとめ

ブルンストロームステージ理論は、脳卒中後の麻痺の回復を評価するための重要な指標です。患者一人ひとりの状態に応じたリハビリ計画を立てることで、より効果的な回復を目指すことができます。


保険内リハビリでは対応が難しい部分を自費リハビリで補うことで、さらに高い目標を設定し達成する可能性があります。リハビリに関する不安や疑問があれば、ぜひ専門家にご相談ください。


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