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目に見えない後遺症と、どう付き合うか? ~「怒りっぽくなった」「忘れっぽい」は、性格ではなく後遺症です~

  • 執筆者の写真: 株式会社 MARUHA  MEDICAL
    株式会社 MARUHA MEDICAL
  • 11月9日
  • 読了時間: 11分
目に見えない後遺症と、どう付き合うか? ~「怒りっぽくなった」「忘れっぽい」は、性格ではなく後遺症です~

その「生きづらさ」、誰にも理解されないと思っていませんか?


脳卒中のリハビリと聞くと、多くの人が「麻痺した手足を、もう一度動かすための訓練」を想像します。


しかし、退院後の生活が始まった時、ご本人と、そばで支えるご家族を、手足の麻痺以上に深く、そして静かに苦しめるものがあります。


それが、「目に見えない後遺症」です。


「最近、なんだか怒りっぽくなった」

「大事な約束を、すっぽかしてしまう」

「あんなに得意だった料理の段取りが、全くできなくなった」

「人の話が、頭に入ってこない」


ご家族は、「リハビリを怠けている」「病気を言い訳にしている」「性格が変わってしまった」と、ご本人を誤解し、どう接していいか分からず戸惑ってしまいます。


そして、なにより辛いのは、ご本人です。 「頑張ろうと思っているのに、なぜか体が動かない」 「自分がおかしくなってしまったんじゃないか」 「家族に迷惑ばかりかけている」 と、誰にも理解されない孤独の中で、ご自身を責め続けています。


もし、あなたの家庭が今、そんな「見えない壁」によって、お互いを理解できなくなり、ギスギスした空気に包まれてしまっているとしたら。


この記事は、あなたのために書きました。


それは、あなたの「性格」や「やる気」の問題では、決してありません。 脳がダメージを受けたことによる、れっきとした「症状」なのです。


この記事では、医者が使う難しい言葉ではなく、あなたの生活に寄り添う言葉で、その目に見えない後遺症のひとつである「高次脳機能障害」の正体と、その見えない敵とどう向き合っていくか、具体的なヒントをお話ししたいと思います。

 

第1章:その「変化」、本当に“症状”ですか? 〜専門家さえ間違う、落とし穴〜


「うちの主人は、病気をしてから、すっかり落ち着きがなくなってしまって…」

「一つのことに集中できず、すぐに他のことを始めてしまいます」


これは、高次脳機能障害の中でも「注意障害」が疑われる、典型的なご家族からのご相談です。


私たちは専門家として、当然「なるほど、注意障害に対するアプローチが必要ですね」と考えます。


しかし、長年この仕事をしていると、時々ハッとさせられる瞬間に立ち会います。


リハビリを始めてしばらく経った頃、奥様がふと、こんなことをおっしゃるのです。


「でも先生、考えてみたら、この人、病気になる前からこういうところ、ありましたわ」

「昔からせっかちで、落ち着きがなくて、私が話してる途中でもう次のこと考えてるような人でした」


…この瞬間、私たち専門家は、冷や汗をかきながら猛省することになります。


もしかしたら、私たちが「症状」だと思い込んでアプローチしていたことの半分以上は、その方の「もともとの性格」や「個性」だったのかもしれない、と。


もちろん、病気による明らかな症状は存在します。


しかし、現実の生活では、どこからが「症状」で、どこからが「その人らしさ」なのか、その境界線は非常に曖昧で、見極めるのが極めて難しいのです。


もし、セラピストが「これは注意障害(ひとつのことに集中できる時間が短い)のせいだ」と決めつけて、必死に左を向かせる訓練をしても、ご本人が単に「もともと落ち着きがない性格」でキョロキョロしているだけだとしたら、そのリハビリは全くの的外れになってしまいます。


ご家族がまずやるべきことは、「症状だ」と決めつけることでも、「性格だ」と諦めることでもありません。


大切なのは、その人自身を、病気になる前から含めて、深く理解しようとすること。


そして、その「症状」と「その人らしさ」とを根気強く見極め、両方に敬意を払いながらアプローチしてくれる、経験豊富な専門家をパートナーに見つけることです。


第2章:なぜ、病院の「計算ドリル」は、実生活に結びつかないのか

第2章:なぜ、病院の「計算ドリル」は、実生活に結びつかないのか

高次脳機能障害のリハビリは、病院でも行われます。


作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)が、静かなリハビリ室で、計算ドリルやパズル、物品の記憶といった訓練を行ってくれます。


しかし、多くのご家族が、こうおっしゃいます。


「病院ではできるのに、家に帰ってくると、全くダメなんです」

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。


それは、保険リハビリに、二つの大きな「限界」があるからです。


保険リハビリのゴールは「社会生活」ではないから


第一章でお話しした「介護保険法」を思い出してください。


あの法律の目的は、あくまで「ADL(食事、トイレ、入浴などの日常生活動作)」や「IADL(掃除、洗濯、買い物などの家事動作)」の自立でした。


病院で行われる高次脳機能障害のリハビリも、その枠内、つまり「家事を安全に行うため」の訓練が中心となります。


しかし、あなたが本当に戻りたい場所は、そこでしょうか? 違いますよね。


「職場」であり、「友人との集まり」であり、「社会」です。


病院の静かな部屋で「パズル」や「計算ドリル」が完璧にできても、雑音だらけの職場で、鳴り響く電話や同僚の話し声に耐えながら、「PC作業」や「電話応対」ができるようには、残念ながらなりません。


訓練の「質」と「環境」が、あなたの目指す「社会生活」とかけ離れすぎているのです。


回復に必要な「時間」が、制度と全く合っていないから


手足の麻痺は、発症から半年間が、最も回復するゴールデンタイムと言われています。


しかし、高次脳機能障害の回復は、全く違う時間軸で動いています。


研究によれば、その回復には、なんと「2年から5年」、失語症(言葉の問題)に至っては「10年」という、非常に長い期間をかけて、ゆっくりと、薄紙を一枚ずつ剥がすように改善するケースがあることが分かっています。


一方、日本の保険リハビリの期間は、どうでしょう。 入院期間は数ヶ月、退院後の外来リハビリも、いつまでも無限に続けられるわけではありません。


あなたの脳が、これから5年、10年かけて回復しようと頑張っているまさにその時に、制度上の「期間切れ」によって、リハビリが打ち切られてしまう。


この「回復の時間軸」と「制度の時間軸」の、あまりにも大きなズレこそが、あなたとご家族を苦しめている、もう一つの「限界」なのです。

 

第3章:高次脳機能障害リハビリの「本当の」始め方

では、ドリルやパズルではないとしたら、一体何をすればいいのでしょうか。


私が長年の経験からたどり着いた、実生活に根差した、本当のリハビリの始め方を、3つのステップでお話しします。


ステップ1:体の動きと「一緒に」リハビリを行う

これは、多くの方、いや、多くの専門家でさえ見落としがちな、最も重要な土台の話です。


例えば、「半側空間無視(左側を見落としてしまう症状)」があるとします。


このリハビリは、単に「左を向きましょう」という“注意”の訓練だけでは、なかなか生活に結びつきません。


なぜなら、「空間を認識する脳の働き」を実生活につなげるためには、繰り返しの機会を多く得ることが必要だからです。


ご本人が「左が見えていない」本当の原因は、純粋な無視という脳の問題だけではなく、 「麻痺の影響で、そもそも体が左を向きにくくなっている」

「左を向くと、麻痺した足で支えきれず、バランスが崩れそうで怖い」

といった、「身体的な問題」と、複雑に絡み合っていることが非常に多いのです。


ですから、経験豊富なセラピストは、高次脳の訓練を行う際、必ずその方の「体の動き」も同時に評価します。


そして、「左を向きやすくする」ための体のリハビリと、「左に注意を払う」ための高次脳のリハビリ。この両方を同時に、並行して行い、あなたの状態に合わせてアプローチを常に変更・調整していきます。


まず、リハビリで体を強くし、「この体なら、左を向いても転ばない」という絶対的な安心感を脳に与えること。


それこそが、高次脳機能のリハビリをスタートさせるための、最も重要な土台作りなのです。


ステップ2:「生活の場」を、そのまま「訓練室」にする

高次脳機能障害のリハビリに、特別な道具やドリルは必要ありません。 本当の訓練の場は、あなたの「ご自宅」です。


例えば、先ほどの半側空間無視の方。 病院の訓練室で、赤い目印を左側に置いて「あれを見てください」と練習するよりも、はるかに効果的なリハビリがあります。


それは、毎日の食事の時、ご家族が、ご本人の左側に、あえて好物のお漬物を置くことです。 そして、ご本人が気づかずに食事を終えそうになったら、「お父さん、大好物のお漬物、左側に残ってるよ」と、優しく声をかける。


この、「生活の中での、リアルタイムな声かけ」こそが、ドリルを100回やるよりも強力なリハビリになります。


ご本人は、「しまった!また見落とした!」と、実生活の中で「気づく」訓練ができます。 この「気づき」の積み重ねこそが、脳の配線を繋ぎ直していくのです。


この「声かけ」を、ご家族がストレスなく、効果的に行えるよう、タイミングや言葉遣いを一緒に考え、指導すること。それこそが、私たち在宅専門家の腕の見せ所です。


ステップ3:「ドキドキする場所」にあえて身を置く

特に、失語症や、感情のコントロールが難しいといった「社会性」の問題において、家に閉じこもることは、回復を最も遅らせる行為です。


リハビリ室でセラピストと行う、「昨日の天気は?」「朝ごはんは何でしたか?」といった、決まりきった会話練習。 それよりも、はるかに効果的な訓練があります。


それは、近所の集まりや、友人との久しぶりの会話、趣味のサークルといった、予測不能で、少し「ドキドキする」社会的な空間に、勇気を出して身を置くことです。


そこで「何を話そうか」「今、自分はどう振る舞うべきか」と、脳が必死にフル回転すること。


それこそが、脳の社会性を鍛え直す、最高の訓練になるのです。


もちろん、最初は失敗ばかりかもしれません。疲れて、ぐったりするかもしれません。


でも、その「疲れ」こそが、脳が本気で働いた証拠なのです。

 

第4章:家族にしかできない、最も大切な役割

第4章:家族にしかできない、最も大切な役割

ここまで読んでこられて、「なんだ、結局、家族が頑張るしかないのか…」と、ため息をつかれたご家族もいらっしゃるかもしれません。


高次脳機能障害の回復は、本当にゆっくりです。


手足の麻痺のように、「昨日より5ミリ手が上がった!」というような、目に見える成果は、ほとんどありません。


だからこそ、ご家族は「本当に良くなっているの?」「私たちの頑張りは、意味があるの?」と不安になり、やがて希望を失いそうになります。


しかし、ご家族にしかできない、本当に、本当に大切な役割があります。それは、「ほんの小さな変化=小さな気づき」ができるのです。


私たち専門家は、週に数十分しか、ご本人と関われません。でも、ご家族は、毎日、その方を見ていらっしゃいます。


「先月までは、話しかけても、ずっと生返事だったのに、今日は一瞬、私の目を見た気がする」

「前は言われたことを全部忘れていたのに、今日は、『ゴミ出し』だけ、覚えていてくれた」

「いつもイライラして怒鳴っていたのに、今日は、怒る前に一瞬、グッとこらえる顔をした」


他人から見れば、専門家から見ても、「全然変わっていない」ように見えるかもしれません。


しかし、この「小さな気づき」こそが、脳が回復している、何よりの、そして唯一の証拠なのです。


この尊い「変化の芽」は、毎日一緒に暮らしているご家族にしか、見つけることができません。


この芽をご家族が見つけてあげること。


そして、「すごいね!」と、ご本人に伝えてあげること。


それが、ご本人の、そして何より、介護で疲れ果てたご家族自身の心を支える、一番の光になるのです。

 

おわりに:見えない壁を、一緒に見つめるパートナーとして


高次脳機能障害のリハビリは、一人でドリルを解くことではありません。


それは、 まず、リハビリで信頼できる体を「土台」として取り戻し、 次に、家族というチームの温かい「声かけ」の中で生活し、 そして、勇気を出して、もう一度「社会」と触れ合い、 最後に、家族と「ほんの小さな変化」を喜び合う。


この「生活のすべて」が、リハビリなのです。


この、何年も続く、複雑で、出口の見えないリハビリの舵取りを、ご家族だけで行うのは、本当に、本当に大変なことです。


もしあなたが今、 「これは症状なのか、この人の性格なのか」 「家族として、どう声をかければいいのか」 「このまま、元の生活には戻れないのだろうか」 と、出口の見えない暗いトンネルの中で、たった一人で悩んでいるのなら。


ぜひ、その「見えない壁」を、あなたの隣で一緒に見つめ、生活の中に隠された「小さな気づき」という光を、一緒に探し出す、経験豊富な専門家の存在を思い出してください。


あなたの苦しみに、名前をつけ、光を当てるお手伝いができると、私は信じています。


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