「もうこれ以上は良くなりません」と言われても。医学的な「6ヶ月の壁」の正体と、その先にある「筋肉の可能性」
- 株式会社 MARUHA MEDICAL
- 2 日前
- 読了時間: 9分

「6ヶ月」という数字に、縛られていませんか?
「発症から半年が過ぎましたね。これ以上の回復は難しいので、これからは今の機能を維持していきましょう」
医師やセラピストから、そんな言葉を投げかけられ、目の前が真っ暗になった経験はありませんか。
あるいは、ご自身でネットを検索し、「脳卒中の回復は6ヶ月でプラトー(停滞期)を迎える」という情報を見て、絶望しているかもしれません。
「私の人生、もうこれ以上良くならないのか…」
もし、あなたがそう思っているなら、私は専門家として断言します。
その絶望は、半分は医学的に正解ですが、あとの半分は、大きな誤解が含まれています。
医学的なデータとしての「6ヶ月の壁」は存在します。
しかし、それはあくまで「ある側面」の話に過ぎません。 あなたの体には、まだ手つかずのまま眠っている「伸びしろ」が、確実に残されています。
今日は、多くの人が誤解している「6ヶ月の壁」の本当の意味と、それを乗り越えるための「赤身と白身の筋肉の話」、そして、重度の方から軽度の方まで、それぞれのステージでどう希望を見出していくかについて、じっくりとお話ししたいと思います。
第1章:まず、厳しい現実(ファクト)を直視する
希望をお話しする前に、まずは専門家として、嘘偽りのない医学的な現実をお伝えしなければなりません。ここを避けて通っては、本当の回復にはたどり着けないからです。
一般的に、脳卒中による手足の麻痺(運動機能)の回復は、発症から6ヶ月で、約9割の方が「頭打ち(プラトー)」を迎えると言われています。
これは、傷ついた脳の神経細胞が、自然治癒力によって修復しようとする期間が、およそ6ヶ月で落ち着いてしまうからです。
もちろん、例外はあります。例えば、脳出血などで脳のむくみが長く続いた方や、発症直後の合併症でリハビリの開始が遅れた方などは、回復のスタート地点自体が後ろにズレ込んでいるため、6ヶ月を過ぎてもググッと神経が回復することがあります。
この「残りの1割」に当てはまるかどうかは、専門家の評価が必要です。
しかし、大原則として、「壊れた神経回路が自然に繋がる」というボーナスタイムは、半年程度で一区切りつく。
これは、変えられない事実です。 「まだまだ神経が元通りに治りますよ」と無責任に言うことは、私にはできません。
ですが、ここで話を終わらせてはいけません。
「神経の回復が終わったこと」と、「あなたの動作がこれ以上良くならないこと」は、イコールではないからです。
第2章:病院リハビリの「真実」と、時間の壁

なぜ、「神経」が止まっても「動作」は良くなる可能性があるのか。
それを理解するために、まず、あなたが病院で受けてきたリハビリについて、少し視点を変えて振り返ってみましょう。
日本の回復期リハビリテーション病院のスタッフは、本当に優秀で熱心です。
彼らは、決して「ただ家に帰せればいい」と思っているわけではありません。
100人の患者さんがいれば100通り、歩けるようになりたい、仕事に戻りたいという高い目標に向かって、日々全力を尽くしています。
しかし、そこにはどうしても越えられない「制度の壁」があります。
それは、「入院期間(期限)」です。
限られた期間の中で、まず最優先しなければならないことは何でしょうか。
それは、「安全に生活できる土台を作ること」です。
転ばずにトイレに行けるか
ベッドから安全に起き上がれるか
装具を使ってでも、自力で歩けるか
まずは、こうした「重力に抗って体を支える力」や「持久力」をつけることが、何よりも優先順位が高くなります。
魚に例えると、マグロのような「赤身の筋肉(遅筋)」を鍛えるイメージです。この筋肉は、姿勢を保ったり、長い時間動き続けたりするために不可欠な、生活の基礎となる筋肉です。
多くの患者さんは、麻痺して力が入りにくくなった体に、この「赤身の筋肉」を必死につけ、なんとか安全に動けるようになったところで、退院の日(タイムリミット)を迎えます。
つまり、病院のリハビリでは、自宅で暮らすための土台作りが重要なため、その上に建てる「家の内装」や「使い勝手の良さ」を追求する段階まで、どうしても手が回らなかっただけなのです。
第3章:壁を破る鍵は「白身の筋肉」にあり 〜速筋アプローチ〜
では、退院後の生活で、さらに「動きを良くしたい」「もっとスムーズに動きたい」と願うなら、何が必要なのでしょうか。
ここで登場するのが、タイやヒラメのような「白身の筋肉(速筋)」です。 この筋肉の特徴は、「素早く動く」「瞬発力を出す」ことです。
横断歩道の信号が点滅した時、パッと急いで渡る。
バランスを崩した時、サッと足を出して踏ん張る。
料理をする時、ササッと手を動かす。
これら、生活の質を高め、見た目にもスムーズで美しい動きを生み出すのは、すべてこの「白身の筋肉(速筋)」の仕事です。
しかし、先ほどお話しした通り、病院の入院期間中には、まず優先すべき「赤身の筋肉」のトレーニングに多くの時間が割かれます。
そのため、この「素早い動き」のトレーニングまでは、時間的に手が回らないことがほとんどなのです。
ここに、あなたの「伸びしろ」があります。
「神経の回復」は止まっていても、「筋肉の質を変えること」に期限はありません。
私が長年提唱し、実践している「速筋(そっきん)アプローチ」は、まさにここに焦点を当てています。
今まで鍛えてこなかった「素早く動く筋肉」を、専門的な方法で刺激し、目覚めさせる。
そうすることで、「動きのキレ」が変わり、「歩くスピード」が上がり、結果として「麻痺は残っているのに、以前よりはるかに動ける体」を作ることができるのです。
第4章:あなたの「ステージ」に合わせた、正しい戦い方

ただし、ここで一つ、非常に大切なお話をしなければなりません。
この「速筋アプローチ」は、魔法ではありません。すべての脳卒中の方に、無条件に当てはまるわけではないのです。
リハビリには、その方の麻痺の程度(ブルンストロームステージなど)に合わせた、適切な「戦い方」があります。
■ ステージ1〜2(重度)の方の場合
ご自身の意思で手足を動かすことが難しいこの段階の方に、無理やり「素早く動かす練習」をさせることはありません。
このステージの方に必要なのは、「動かない部分をどう補うか」という戦略です。
ご自身の残された機能を最大限に活かす環境設定
楽な姿勢を取るためのポジショニング
最新の福祉用具の活用
これらを駆使して、「生活の不自由さ」を減らしていくこと。それが、このステージにおける「前進」です。
■ ステージ3〜4(中等度)以上の方の場合
ある程度ご自身の意思で関節を動かせるようになってきたら、いよいよ「速筋」の出番です。
これまでは「ゆっくり、確実に」動かす練習をしてきたかもしれません。
そこにあえて、「少し早く動かす」「リズムを変える」といった刺激を入れていきます。 もちろん、最初はうまくいきません。
しかし、正しい誘導のもとで行えば、脳は新しい動きのパターンを学習し始めます。
「自分はどのステージで、何を頑張ればいいのか」 それを正しく見極めることこそが、無駄な努力や怪我を防ぎ、最短距離で生活を変える鍵となります。
第5章:「できない」を数えるより、「暮らし」を広げる考え方へ
最後に、私が大切にしている考え方をお伝えします。
かつてのリハビリは、「麻痺を治すこと(機能回復)」だけに固執していました。
しかし、今は世界的に「ICF(国際生活機能分類)」という考え方が主流です。
これは、「手が動かない(機能障害)」というマイナス面だけを見るのではなく、 「どうすれば料理ができるか(活動)」 「どうすれば友人と旅行に行けるか(参加)」 という、「暮らしをどう取り戻すか」に焦点を当てる考え方です。
もし、あなたが「手が動かないから、私の人生は終わりだ」と考えてしまっているとしたら、これからの人生はとても苦しく、貧しいものになってしまいます。
そうではありません。視点を変えましょう。
「神経の回復は6ヶ月で一区切りついた。
よし、次は筋肉の出番だ」 「赤身の筋肉で支える力はついた。次は白身の筋肉を鍛えて、動きをカッコよくしよう」 「麻痺していない側の手足も上手に使いながら、道具も活用して、やりたいことを実現しよう」
そうやって、使える機能を存分に使い、眠っている「速筋」を叩き起こし、暮らしの幅を広げていく。
それが、6ヶ月の壁を越えた先にある、リハビリの「第二章」です。
おわりに:あなたの「白身の筋肉」は、まだ眠っています
「もうこれ以上は良くなりません」 もしそう言われたとしても、それはあくまで「神経の自然回復」の話であり、病院という限られた期間の中での判断に過ぎません。
あなたの体には、まだ手つかずの「白身の筋肉」が、出番を待って眠っているかもしれません。
あるいは、まだ試していない「生活を楽にする工夫」が、たくさん残されているかもしれません。
ただ、この「速筋アプローチ」や「ステージごとの的確な判断」は、専門的な知識と技術が必要です。
自己流でやろうとすると、かえって体を痛めたり、つっぱり(痙縮)を強めてしまうリスクもあります。
もし、あなたが「今の維持だけのリハビリには満足できない」「もっとスムーズに、素早く動けるようになりたい」と願っているのなら。
ぜひ、あなたの人生をトータルで捉え、幅広く支えてくれるセラピストを見つけてください。
そして、そのパートナーと共に、希望を持ってトレーニングに励んでください。
あなたの眠っている可能性が呼び覚まされ、暮らしが、そして人生が、もう一度前に進んでいくことを、私は心から祈っています。
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