脳卒中リハビリとTMS治療の可能性〜 新しい選択肢を正しく理解するために 〜
- 株式会社 MARUHA MEDICAL
- 5月26日
- 読了時間: 5分

最近、「TMS(経頭蓋磁気刺激)」という治療法を耳にする機会が増えています。特に、脳卒中の後遺症に悩む方やそのご家族にとって、新しい治療法は希望の光とも言えるかもしれません。ただし、どんな治療にも「効果が出やすい人」と「そうでない人」がいるのが現実です。
この記事では、TMSとは何か、脳卒中の後遺症にどのような可能性をもたらすのか、そして自費リハビリとの関わりについて、実際の現場での経験を交えながら丁寧に解説します。
脳卒中とは?
脳卒中は、脳の血管が詰まる、または破れてしまうことで、脳細胞に必要な酸素や栄養が行き渡らずダメージを受ける病気です。大きく3つのタイプがあります。
・脳梗塞:血管が詰まり、血流が止まってしまう。最も発症頻度が高く、慢性的な生活習慣病との関係が深いです。
・脳出血:血管が破れ、出血が脳内に広がる。高血圧が大きなリスクとなります。
・くも膜下出血:脳を包む膜の隙間で出血が起きる。発症は突然で、命に関わる重症になることも多いです。
いずれのタイプも、後遺症として手足の麻痺、言語障害、視野障害、記憶力や判断力の低下などが残ることがあります。発症後は救命処置に続いて、回復期や生活期のリハビリが重要になります。
TMS治療とは?

TMSは、Transcranial Magnetic Stimulationの略で、日本語では「経頭蓋磁気刺激」と訳されます。磁気パルスを頭皮越しに脳へ届けることで、神経細胞の活動を促します。非侵襲的(体を傷つけない)方法として、うつ病治療ではFDA(米国食品医薬品局)に認可されており、近年では脳卒中後の運動麻痺への応用が研究されています。
TMSの目的は、麻痺のある側の脳の活動を促し、随意運動を引き出す手助けをすることです。とくにリハビリで動かそうとしてもうまく力が入らない初期の段階では、TMSが「スイッチを入れる」役割を果たす可能性があると期待されています。
TMS治療の適応と限界

ただし、TMSは万能な治療法ではありません。脳卒中の場合、現段階では日本国内での医療保険適用はなく、治療効果に関するエビデンス(科学的根拠)は発展途上です。脳の損傷の場所や大きさ、発症からの時間、患者さんの状態によって、効果の出方には大きな個人差があります。
そのため、「TMSを受ければ必ず改善する」といった過度な期待は禁物です。一方で、可能性を探る意味では、熟練した理学療法士や専門医と相談しながら、慎重に導入する価値もあると言えます。
実例1:改善の後押しとなったケース
60代の女性Aさんは、脳出血により左半身に強い麻痺が残り、退院後も外出を控えがちでした。自宅での生活が中心となる中、週3回の自費リハビリを開始。同時にTMS治療も受けることにしました。
理学療法士は、重心移動や片脚立ちの練習、体幹の安定性を高めるトレーニングを通じて、「立つ・歩く」力を引き出すプログラムを設計。6ヶ月後には歩行距離も延び、近所のスーパーへの買い物も楽しめるように。「TMSがすべてではないけれど、やってみてよかった」という言葉が印象的でした。
実例2:TMSが合わなかったケース
70代の男性Bさんは、右手の麻痺に対してTMSを導入。しかし、大きな変化は見られませんでした。「何となく手の感覚は変わったような気がする」という反応もありましたが、明確な運動機能の改善にはつながりませんでした。
そこで、従来型の訪問リハビリに切り替え、日常動作(料理、着替え、排泄)の自立支援に重きを置いたプログラムを再構築。結果的に本人のQOL(生活の質)は向上し、「今できることを丁寧にやる」ことの大切さを改めて感じた事例となりました。
TMS治療と自費リハビリの関係
TMSは保険外診療です。そのため、導入する際には費用負担が大きくなることがあります。さらに、TMSの効果を最大限に引き出すには、リハビリの併用が欠かせません。
自費リハビリでは、TMSによって活性化された脳機能や動きを、日常生活の動作に「つなげる」工夫が可能です。
たとえば、
・TMS後の歩行練習を、そのまま通勤ルートや買い物シーンでの歩行に展開
・手の感覚が戻った段階で、調理や洗濯などの家事練習に移行
・モチベーション低下に悩む患者さんには、家族と協力した在宅リハビリ計画を提案
といったように、個別性の高いプランが立てられます。
まとめ
TMS治療はまだ発展段階にあるとはいえ、脳卒中後のリハビリに新たな可能性を与えてくれるアプローチのひとつです。ただし、魔法の治療ではありません。大切なのは、個々の状態に合わせた「適切な使い方」と「正しい期待」です。
「もう一度歩きたい」「もっと動けるようになりたい」と願う気持ちは、誰にでもあります。その思いに応えるためにも、TMSや自費リハビリを上手に組み合わせながら、一歩一歩、前進していくことが大切なのです。
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