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片麻痺の本当の勝負は退院してから。~病院では教えてくれない「3つの壁」と、その乗り越え方~

  • 執筆者の写真: 株式会社 MARUHA  MEDICAL
    株式会社 MARUHA MEDICAL
  • 10月12日
  • 読了時間: 10分
片麻痺の本当の勝負は退院してから。~病院では教えてくれない「3つの壁」と、その乗り越え方~

はじめに:「おかえりなさい」の喜びと、その後に訪れる静かな現実

「退院おめでとうございます!」 多くの人に温かく送り出され、久しぶりに我が家のドアを開けた時の安堵感。


ご本人にとっても、ご家族にとっても、それは本当に嬉しい瞬間だったことと思います。


しかし、お祝いが終わり、お見舞いの客足が落ち着き、家の中に静かな日常が戻ってきた頃。多くの方が、言葉にはしにくい、ある漠然とした戸惑いや不安を感じ始めます。


「なんだろう、病院にいた頃と何かが違う…」 「リハビリ、このままで本当に良くなるのかな…」 「あんなに頑張ったのに、退院したら社会から切り離されたような気分…」


隣で見守るご家族もまた、「本当に良くなってほしい」という強い愛情と、「どう支えてあげるのが正解なんだろうか」という不安との間で、心が揺れ動いているかもしれません。


その戸惑いや不安は決して、あなたの努力が足りないからでも、ご家族のサポートが間違っているからでもありません。


実は、退院後の在宅生活には、病院では誰もはっきりと教えてくれなかった、大きく、そして見えにくい「3つの壁」が存在するのです。


この記事では、脳卒中リハビリの現場を長年見てきた専門家として、多くの方が直面するその壁の正体と、それを乗り越えて、もう一度あなたらしい生活を取り戻すためのヒントをお話ししたいと思います。


第1の壁:リハビリの「時間(量)」が圧倒的に足りなくなる壁

まず、最もシンプルで、最も大きな壁がこれです。


思い出してみてください。回復期リハリテーション病院に入院していた頃、あなたはどれくらいの時間リハビリをしていましたか?


おそらく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリを、1日合計3時間、土日も休まず毎日受けていたはずです。


1週間に換算すると、実に21時間。専門家がマンツーマンで、あなたの回復のためだけに付き添ってくれた、濃密な時間です。


この集中的な時間が、脳の「可塑性」、つまり損傷した部分の機能を他の部分が補おうとする力を最大限に引き出し、また代替機能を活かした訓練を重ね、目覚ましい回復を後押ししてくれていたのです。


では、ご自宅に戻った今、専門家によるリハビリをどれくらい受けられているでしょうか。


介護保険の訪問リハビリやデイケア(通所リハビリ)を利用した場合、ケアプランにもよりますが、週に2〜3回、合計で週に2時間〜3時間程度が一般的です。


もう、お分かりですよね。 在宅生活が始まった途端、リハビリの絶対量は約1/7、あるいはそれ以下に激減してしまうのです。


「退院したら、あとは本人のやる気次第なのかな…」「もっと頑張らないとダメなのかな…」とご自身を責めてしまう方がいますが、それは違います。


脳が新しい動きを再学習するためには、一定量の反復練習が不可欠です。その時間が物理的に足りなくなっている。


これが、多くの方が「なんだか体の動きが停滞している気がする…」「リハビリが進まない」と感じる、一番大きな原因なのです。


第2の壁:リハビリの「内容(質)」と見えない「制度」の壁

第2の壁:リハビリの「内容(質)」と見えない「制度」の壁

「時間が減っても、中身が濃ければいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、ここにもう一つの壁が立ちはだかります。


■「生活を変える」訓練になっていますか?

介護保険で受けられるリハビリには、訪問リハビリ、デイサービスでの機能訓練、デイケアなど、様々な選択肢があります。


しかし、それぞれに時間や人員の制約があり、病院と同じ質を求めるのは難しいのが実情です。


例えば、あなたの目標が「もう一度、包丁を握って料理がしたい」だとします。


質の高いリハビリとは、ただ麻痺した手のストレッチをするだけではありません。


野菜の硬さに合わせた力の入れ方、滑らないまな板の選び方、立った時のバランスの取り方など、実際の料理の場面を想定した具体的な練習をすることです。


しかし、保険制度内の限られた時間では、体をほぐすマッサージやストレッチが中心となり、そこまで踏み込んだ生活直結型のリハビリを行うのが難しいケースも少なくありません。


■良かれと思って選んだのに…「保険制度」の複雑なルール

さらに、多くの方がご存じない、しかし非常に重要なルールがあります。それは「医療保険」と「介護保険」の関係性です。


退院後の生活を支えるこの二つの制度は、実は少し複雑な関係を持っています。


退院直後の一定期間は、医師の判断のもとで医療保険による病院での外来リハビリと、介護保険のサービスを組み合わせて利用できることもあります。


しかし、国の大きな方針として、安定した在宅生活でのリハビリは介護保険が主体となって担うという流れがあります。


そのため、多くの場合、数ヶ月が経過すると、リハビリの主体は医療保険から介護保険へと徐々に移行していくことになるのです。


第3の壁:「見守る人(環境)」が変化する壁

最後の壁は、人的な「環境」の変化です。


病院でのリハビリがなぜあれほど効果的だったかというと、実は「リハビリ室での訓練」と「病棟での実践」が、専門家たちによって効果的に連携されていたからです。


まず、リハビリ室では理学療法士や作業療法士が、あなたの体の機能や基本的な動作能力、つまり「できるADL」を最大限に引き上げます。


また、優秀なセラピストの仕事はリハビリ室だけで終わりません。


彼らは、あなたが実際に生活する病棟へも足を運びます。なぜなら、病室のベッドはリハビリ室のベッドとは高さも硬さ、柵の有無も違います。


そのため、リハビリ室でできた起き上がりが、病室ではうまくいかない、ということが頻繁に起こるのです。


そこで、セラピストはあなたの病室のベッドを使って、より実践的な起き上がり訓練を行うのです。


病棟の廊下を歩く練習も同様です。このように、セラピストが「できるADL」を、実際の生活場面である「しているADL」に繋げるための橋渡しを、病棟で行ってくれていました。


そして、セラピストが訓練したその動きを、24時間体制であなたの生活の中に定着させてくれるのが、看護師やケアワーカーといった「生活を見守るプロ」の集団なのです。


特に、ご家族も一緒に就寝される夜間は、在宅では見守りのマンパワーが実質的にゼロになります。


病院であれば夜勤のスタッフが常駐し、安全を確保してくれましたが、家ではそうはいきません。


この夜間の環境変化も、「しているADL」が下がってしまう大きな原因の一つです。


専門知識を持った多くの人の目と、十分なマンパワーがあって初めて成り立つ、非常に手厚いサポート体制。


ご自宅に帰るということは、この「しているADL」を絶えず引き上げてくれるプロの環境そのものが無くなってしまう、ということなのです。


その結果、ご本人の能力(できるADL)は退院時と変わらなくても、実際の生活レベル(しているADL)だけが、一気に下がってしまう。


これが、多くの方が直面する、最も大きな環境の変化の正体です。


「3つの壁」を、私たちはどう乗り越えればいいのか?

「3つの壁」を、私たちはどう乗り越えればいいのか?

では、このどうしようもなく大きな壁を前に、私たちはただ立ち尽くし、諦めるかないのでしょうか。


いいえ、そんなことはありません。壁の存在を知った今だからこそ、打てる手があります。


ステップ1:信頼できる「地域の案内人」と共に探す

まずは、あなたの地域のことをよく知るケアマネジャーさんに、こう相談してみてください。


「マッサージだけでなく、生活の動きを良くするためのリハビリに、本当に熱心なセラピストさんはいませんか?」


具体的な目的を伝えることで、ケアマネジャーさんもアンテナの感度を上げ、評判の良い事業所や、情熱のあるセラピストの情報を集めてくれるかもしれません。諦めずに探す価値はあります。


ステップ2:「しているADL」を支える具体的な工夫から始める

在宅での生活を安全で、かつ活動的にするためには、具体的な「工夫」が不可欠です。


特に夜間のトイレなどは、転倒のリスクが最も高い場面の一つです。


例えば、日中は杖なしで歩ける方でも、夜間にトイレへ行く際は、安全を最優先して安定感のある「4点杖」や「サイドケイン」をあえて使う、といった戦略的な判断が非常に重要になります。


その他にも、廊下にセンサーライトを設置する、寝室からトイレまでの動線に手すりをつけるなど、環境を少し整えるだけで、「しているADL」は大きく改善します。


どのような福祉用具が今のあなたに最適か、お部屋のどこに手すりがあれば安心か。そうした生活に密着した工夫を一緒に考えるのも、経験豊富な専門家の重要な役割です。


ステップ3:リハビリの本当のゴールを、もう一度考える

具体的な工夫で生活の安全を確保した上で、リハビリの目標について少しだけ深く考えてみましょう。


在宅リハビリの最初の目標の一つは、「できるADL」と「しているADL」の差をなくしていくことです。


このギャップを埋めることは、在宅リハビリの非常に重要な第一歩です。


しかし、リハビリの本当のゴールは、そこで終わりではありません。私たちが最終的に目指すのは、その先にある「活動」の幅を広げ「参加」に繋げることです。


  • 「活動」とは、日常生活動作に加え、料理や洗濯、趣味の庭いじりなど、具体的な生活行為のこと。

  • 「参加」とは、友人と旅行に行く、町内会の集まりに出かける、仕事に復帰する、お孫さんの運動会を応援しに行くなど、社会や人と繋がり、役割を持つことです。


ただ身の回りのことができるだけでなく、あなたが人生の主役として、もう一度、笑顔で社会と繋がっていくこと。


それこそが、リハビリが目指す、本当の輝きなのです。


ステップ4:ゴール達成のための、もう一つの選択肢を知る

この「活動と参加」という、より高い目標を目指す時、保険制度の枠組みだけでは、時間やアプローチの方法が足りないと感じることがあるかもしれません。


いわゆるリハビリ難民と呼ばれる状態です。


その時に、ぜひ知っておいてほしいのが「自費リハビリ」という選択肢です。 これは、公的な保険を使わずに、専門家と直接契約して行うリハビリです。


「費用がかかる」という側面はありますが、それを上回る大きな可能性があります。


例えば、私たちが関わった方の中には、「もう一度、趣味だった家庭菜園をやりたい」という目標を掲げたAさんがいました。


保険のリハビリでは、手足の筋力トレーニングが中心でしたが、私たちはAさんと一緒に畑に行き、不安定な土の上での歩き方、中腰での作業の仕方、道具の使い方などを、実際の環境で徹底的に練習しました。


半年後、Aさんは見事に自分の手で育てたトマトを収穫し、ご家族に振る舞うことができました。


このように、自費リハビリには、

  • 高い専門性

  • 完全なオーダーメイド(あなたの「本当にやりたいこと」に焦点を当てる)

  • 時間や場所の制約がない(畑やスーパー、職場にだって行ける)

といった、保険サービスにはない強みがあります。


数ヶ月後、数年後のご自身の生活を想像してみてください。


その未来を実現するための、自分自身への大切な働きかけと捉えた時、その価値はどのように映るでしょうか。


おわりに:退院はゴールではなく、「本当のスタート」

今回お話しした「3つの壁」は、退院された方のほとんどが経験することです。


ですから、もし今あなたが悩んでいたとしても、ご自身を責ないでください。


大切なのは、その壁の存在を知り、「じゃあ、どうしようか?」と次の一手を考えることです。


そして、リハビリの目標を「身の回りのこと」だけに限定せず、「もう一度、人生を楽しむこと」に置くことです。


退院は、リハビリのゴールではありません。 あなたの人生を取り戻す、本当のリハビリのスタートなのです。


この記事が、あなたの新しいスタートを、少しでも後押しできたなら、大変に嬉しいです。


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