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脳卒中後の「寝たきり」を防ぐ自費リハビリの効果

脳卒中を経験された方やそのご家族にとって、「このまま『寝たきり』になってしまうのではないか」という不安は大きなものです。特に、リハビリテーション病院での集中的なリハビリを終えても、障害が大きく残り在宅生活に移行した場合、寝たきりリスクが高まるケースが少なくありません。

本記事では、「寝たきり」を防ぐための環境づくりの重要性や、保険リハビリと自費リハビリの違い、そしてどのように回復の可能性を広げられるかについて詳しくご紹介します。


脳卒中とは?

脳卒中は、脳の血管が破れる(脳出血)、詰まる(脳梗塞)、または脳を包む膜の下で出血する(くも膜下出血)ことで発生します。これにより、麻痺や感覚障害、高次脳機能障害など、さまざまな障害が引き起こされます。


リハビリ病院を経ても高い寝たきりリスク

脳卒中後、回復期リハビリテーション病院でのリハビリは非常に重要です。この期間中は、1日最大3時間のリハビリを受けることができ、患者さんの回復を支える集中的なプログラムが行われます。しかし、次のようなケースでは、退院後に寝たきりリスクが高まります。


・重度の片麻痺や両片麻痺:手足の麻痺が重く、動作や体位変換が困難な場合。

・高次脳機能障害:記憶や判断力が低下し、自分で行動を起こせなくなる場合。

・関節拘縮の進行:適切なケアが不足すると、関節が固まり、車椅子への移乗動作が難しくなる場合。

・環境の変化への対応が困難:整ったリハビリ病院の環境から、自宅という制限の多い環境に移行すると、身体機能がさらに低下するリスクがあります。


「寝たきり」がもたらすリスクとその克服

脳卒中後の「寝たきり」の状態が続くと、褥瘡などの皮膚トラブル、筋力低下や関節拘縮など、将来的な回復を大きく妨げるリスクがあります。特に足首が下向きに固まる「尖足」は、離床や歩行を難しくし、車椅子への移乗すら困難な状態を招きます。


「尖足」がもたらす深刻な影響

「寝たきり」の状態では、徐々に筋肉が硬くなり、実際に車椅子で離床して座っていても足の関節が柔らかさを保てません。その結果、足先が下に向いた状態で関節が固まり「関節拘縮」を起こします。この状態を「尖足」と言います。


「足が固まってしまってどうしたらいいのかわからない」「車椅子に移すことも難しい」といったお悩みで相談に来られるケースは少なくありません。


このような状態では、立位や歩行訓練を始める前に、硬くなった関節の柔軟性を回復させる取り組みが必要になりますが、時間が経過すると回復が困難になりますので予防が大切です。

「尖足」がもたらす深刻な影響

環境づくりが鍵

このような悪循環を防ぐには、退院後速やかに適切な環境を整えることが重要です。車椅子を中心とした離床を日常的に取り入れることで、重力を感じる姿勢を維持し、足関節の柔軟性を保つことができます。


また、心肺機能や内臓機能、高次脳機能障害の改善も期待できます。さらに装具を活用したリハビリを取り入れることで、関節拘縮のリスクを軽減し、回復の準備を整えられます。


熟練理学療法士による歩行訓練

熟練理学療法士による歩行訓練

例えば、両片麻痺であっても、熟練の理学療法士が丁寧にサポートし、両下肢に長下肢装具を使用した歩行訓練を行うことで、回復の希望を広げることが可能です。


このような取り組みは、関節拘縮を防ぐだけでなく「寝たきり」を防ぎ生活の質も上げることができ、人生の自信を取り戻すきっかけとなります。※保険サービスのリハビリはストレッチに止まるケースが多く上記リハビリは期待できない場合があります。


熟練理学療法士による歩行訓練

保険リハビリの限界と自費リハビリの可能性

リハビリ病院では1日3時間、365日休みなくリハビリを受けられます。これに対し、在宅での保険リハビリは、最大で週に2~3時間程度が一般的です。このリハビリの量や質の差は、在宅での暮らしに大きく左右します。


保険リハビリの課題

保険リハビリでは、次のような限界があります。


・麻痺している手足の機能を積極的に改善するプログラムを行いにくい。

・ストレッチや基本的な動作練習にとどまり、立位や歩行練習まで進みにくい。

・重度障害のケースでは、必要な時間を十分に確保できない。


自費リハビリのメリット

自費リハビリでは、保険リハビリの制約を補い、個別のニーズに応じた柔軟なプログラムを提供します。次のようなメリットがあります。


・目標達成に向けた個別プログラム:患者さん一人ひとりの状態に合わせてプログラムを作成します。

・熟練の理学療法士によるサポート:専門的な知識と経験に基づき、回復を最大限に引き出します。

・柔軟な時間設定:保険リハビリではカバーできない時間を補完。


実際の取り組み例:「寝たきり」を防ぐリハビリ

自費リハビリでは、次のような具体的なプログラムを実施し、「寝たきり」を防ぎます:


1. 離床の実践

車椅子への移動を支援し、重力を感じる姿勢を保つことで筋力や心肺機能、内臓機能を向上させ、褥瘡などの皮膚トラブルも軽減できます。


2. 立位練習と歩行練習    

麻痺の程度に応じたサポートを行いながら、立つ練習や歩行練習を進めます。


3. 関節拘縮の予防   

ストレッチやポジショニング(良い姿勢を整える)に加え、実際に動くことで関節の柔軟性を維持します。


4. 高次脳機能への働きかけ    

外部刺激やコミュニケーションを増やし、認知機能の回復をサポートします。


まとめ:リハビリの選択が未来を変える

脳卒中後、「寝たきり」を防ぐには、適切なリハビリの継続と環境づくりが欠かせません。特に、自費リハビリは保険リハビリではカバーしきれない部分を補い、患者さんとご家族の希望を形にする可能性を秘めています。


寝たきりに関するお悩みがあれば、ぜひご相談ください。私たちは「寝たきり」を防ぎ、生活の質を向上させるための最適なプログラムをご提案いたします。一歩一歩、確実に未来へ進んでいきましょう。


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