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脳卒中で麻痺のある方の移乗を安全・スムーズに行う方法|介助のコツと注意点を解説

  • 執筆者の写真: 株式会社 MARUHA  MEDICAL
    株式会社 MARUHA MEDICAL
  • 7月22日
  • 読了時間: 10分
脳卒中で麻痺のある方の移乗を安全・スムーズに行う方法|介助のコツと注意点を解説

脳卒中の後遺症として多く見られる「片麻痺」は、日常生活に大きな影響を及ぼします。

なかでもベッドから車椅子、車椅子からトイレや椅子への「移乗」は、本人にとっても介助する側にとっても負担の大きい動作です。


「どちら側からサポートすればいいの?」「力の入れ方は?」「声のかけ方は?」と、戸惑うことも多いのではないでしょうか。


この記事では、脳卒中による麻痺のある方に向けた移乗介助の基本と、安全に行うためのコツ、注意点をわかりやすく解説します。


脳卒中による麻痺がある方の移乗介助とは?基本知識を押さえよう

移乗とは何か?定義と場面の例

移乗とは、ベッドから車椅子、車椅子からトイレや椅子へと移る一連の動作を指します。


脳卒中による麻痺がある方にとって、この移動するというシンプルな動きが、思いのほか大変になることがあります。


たとえば、朝起きてベッドから車椅子に移るときに足に力が入らない、バランスが取りづらい、腕で体を支えられないことがあります。


そんな状態では、自力での移乗は困難です。そうした場面で、介助者によるサポートが必要になります。


移乗は、日常生活の中で何度も繰り返す動作です。


だからこそ、安心して、できるだけスムーズに行える方法を知っておくことが大切です。


片麻痺によって異なる移乗方法の考え方

脳卒中の後遺症として多いのが片麻痺。


体の右側または左側のどちらか一方に麻痺が出るケースがほとんどです。


この場合、「健側(けんそく)」と呼ばれる、麻痺がない側の手足を活かすことが移乗介助の基本となります。


たとえば右片麻痺であれば、左側の腕や脚に力が入るため、そちらを軸に移動をサポートしていきます。


車椅子を置く位置や、立ち上がる向きなども、健側を中心に考えると、本人の力を活かした自然な動作がしやすくなります。


移乗介助が必要な主な場面

移乗が必要になるのは、以下のような日常の場面です。


  • ベッドから車椅子への移動

  • 車椅子からトイレやポータブルトイレへの移動

  • 車椅子から食卓の椅子やリビングのソファへ移動

  • 浴室内のシャワーチェアへの移動

  • ベッド上での体位変換や端座位動作


これらは一日に何度も発生する動作です。


移乗がうまくいくかどうかは、本人の体力やモチベーション、介助者の負担にも大きく影響してきます。


移乗介助の基本ステップとコツ

移乗介助の基本ステップとコツ

事前準備と声かけの重要性

移乗介助の第一歩は、準備と声かけです。


たとえばベッドから車椅子に移るときは、車椅子の位置や角度、ブレーキの確認をしっかりと行いましょう。高さをそろえておくこともポイントです。


そして何より大切なのが、本人への声かけです。


「これから車椅子に移りますね」

「左足で立ちますよ」

「せーの、で立ち上がります」


こうした声かけは、本人に安心感を与えるだけでなく、動作のタイミングを合わせるためにも効果的です。


特に脳卒中後は認知機能や反応速度が低下していることもあるため、ゆっくり・はっきりと話すことを心がけましょう。


介助者の身体の使い方と姿勢

移乗介助では、介助する側の体にも大きな負担がかかります。無理な姿勢で抱えようとすると、腰や肩を痛めてしまうことも。


介助のときは、以下のポイントを意識してください。


  • 足を肩幅に開いて、重心を安定させる

  • 腰ではなく膝を使って体を支える

  • 本人の体にできるだけ近づいて動かす

  • 腕の力に頼らず、体全体で動きを支える


「抱える」のではなく「一緒に動く」「体重を移すように誘導する」という感覚が大切です。


立位保持・回転・着座のポイント

移乗の基本動作は、「立つ → 回る → 座る」の3つに分けて考えると分かりやすいです。


立つとき:健側の足に重心を置き、ベッドの縁や手すりなどを使って上半身を前に倒しながら立ち上がります。タイミングを合わせて「せーの」と声をかけると安定します。


回るとき:健側の足を軸にして、体を回転させます。麻痺側の足が引っかからないように注意しながら、介助者が横からサポートします。


座るとき:椅子の位置をしっかり確認し、深く座れるようにゆっくりと誘導します。勢いでドスンと座ってしまわないよう、腰を下ろす動きをゆっくりコントロールするのがポイントです。


焦らず、ひとつひとつの動作を丁寧に進めることが、移乗を安全に行ういちばんの近道です。


本人と息を合わせながら、安心できるリズムを見つけていきましょう。


移乗介助で注意すべきリスクと対策

転倒や皮膚損傷を防ぐ工夫

脳卒中による麻痺がある方の移乗では、転倒や皮膚トラブル(擦過傷・褥瘡など)のリスクに常に注意が必要です。


たとえば、足がもつれてバランスを崩したり、座面にお尻を強く打ちつけてしまったりと、ちょっとした油断が大きな事故につながることもあります。


そうしたリスクを減らすために、次のような対策が有効です。


  • 車椅子やベッドのブレーキは、毎回しっかりロックする

  • 足元はすべりにくい室内履きやマットを使う

  • 肌と布がこすれる場面では、摩擦を避ける工夫を

  • 手すりや支えになる家具を活用して、身体の安定を保つ


本人の状態に合わせて「いつ・どこで・何が危ないか」を日ごろから確認しておくことが大切です。


過剰介助による自立の妨げに注意

つい「こっちのほうが早いから」と、すべてを介助してしまいたくなる気持ち、ありますよね。


でも、本人ができることまで代わりにやってしまうと、せっかく残っている機能や意欲を低下させてしまうことも。


大切なのは、無理なく、自分でできる部分を見極めること。たとえば、


  • 立ち上がるときに手すりを使える

  • 健側の足で支えられる

  • 動作の準備ができれば、上体を少し前に倒せる


介助しすぎず、見守ることも大切なサポートのひとつです。


認知症や言語障害を伴う場合の対応方法

脳卒中の後遺症には、麻痺だけでなく、記憶障害・注意力低下・言語障害(失語症)などが伴うこともあります。


こうした状態の方に移乗介助を行うときは、分かりやすく伝えることがとても重要です。


ポイントは次のとおりです。


  • 声かけは短く、ひとつずつ指示を出す(「立ちますよ」「左足出します」など)

  • 視線を合わせて、安心できるような表情で話す

  • 手ぶりやジェスチャーを交えて伝える

  • ご本人が混乱したり不安そうにしていたら、無理に動かさず一度落ち着く


言葉が通じにくい場合でも、「ゆっくり・丁寧に・焦らずに」が基本です。本人の表情や反応をよく観察しながら進めましょう。


福祉用具を活用した移乗支援の選択肢

移乗介助で注意すべきリスクと対策

スライディングボード、介助リフトなどの種類と使い方

移乗の負担を少しでも減らすために、福祉用具の活用はとても効果的です。


特に脳卒中による片麻痺の方は、用具を上手に使うことで「できること」がグッと広がります。


代表的な福祉用具には次のようなものがあります。


  • スライディングボード:ベッドと車椅子の間に渡して、お尻を滑らせて移乗する板。体重がかけられない方にも便利です。

  • スタンディング補助器(立ち上がり補助具):麻痺がある方でも安全に立ち上がるためのサポート器具。

  • 電動介助リフト:ほとんど自力で動けない方にも対応できる、つり下げ式のリフト。介助者の腰への負担も大幅に軽減できます。


使う人の状態や、介助者の力量、設置スペースに合わせて最適な用具を選ぶことがポイントです。


導入時のポイントと費用面の考慮

福祉用具というと、「高そう」「手続きが面倒そう」と思われがちですが、介護保険制度を使えば自己負担は1〜3割に抑えられる場合がほとんどです。


また、用具は購入しなくても「レンタル」で十分なことも多いので、まずは地域のケアマネジャーやリハビリスタッフに相談してみるのがおすすめです。


導入時には以下の点をチェックしておきましょう。


  • 本人と介助者の両方が使いやすいか

  • 設置スペースに無理がないか

  • 実際の生活動線(ベッド・トイレ・車椅子間)に合っているか


自立支援に繋がる用具活用の考え方

福祉用具は「介助の手助け」というだけでなく、ご本人の“できること”を引き出す道具として活用できます。


たとえばスライディングボードを使えば、片麻痺があっても自分の力で移乗できるようになる方も少なくありません。


介助を少し減らすことで、本人の自信や意欲にもつながることがあります。


「本人が主役」という視点で用具を選ぶと、介護の質がぐっと上がります。


家族や介護者のための移乗介助の負担軽減法

介護技術の研修や動画活用

脳卒中による麻痺のある方を毎日介助していると、「このやり方で合っているのかな?」「腰がつらい…」と感じることも多いと思います。


そんなときは、正しい介助技術を学べる研修や動画を活用してみるのがおすすめです。


自治体や地域包括支援センターなどでは、家族介護者向けの介護教室を定期的に開催しているところもあります。


また、YouTubeなどの動画サイトにも、理学療法士や介護福祉士による解説動画が豊富にあります。


動画で実際の動きを確認できると、「あ、こういう姿勢なら負担が少ないんだ」「こうすれば本人も楽になるんだな」といった発見がきっとあるはずです。


訪問リハビリ・専門職との連携

介助に悩んだときは、一人で抱え込まず、リハビリの専門職に相談することも大切です。


たとえば訪問リハビリを利用すれば、理学療法士や作業療法士が自宅に来て、


  • 本人の身体機能を評価し、適切な移乗方法を提案してくれる

  • 介助者の動き方もチェックしてアドバイスしてくれる

  • 必要に応じて用具の提案や動線の改善もしてくれる


など、その人・その環境に合ったサポートをしてくれます。


困ったときの「頼れる味方」として活用していきましょう。


介護保険制度を活用した支援策

介助の負担を減らすには、介護保険の制度をうまく使うことも大事なポイントです。


たとえば、要介護認定を受けていれば、


  • 訪問介護(ヘルパーによる移乗介助)

  • 福祉用具のレンタル・購入支援

  • 住宅改修(手すり設置や段差解消など)


といった支援が受けられます。経済的な負担も軽くなり、精神的にも余裕が生まれるはずです。


申請や相談は、地域包括支援センターや担当のケアマネジャーにお願いできます。


「もう無理かも…」と思う前に、制度の力を借りてみてください。


まとめ|脳卒中による麻痺がある方の移乗は「安全・自立・負担軽減」がカギ

脳卒中による麻痺がある方にとって、移乗は日々の生活を支える大切な動作です。


うまくいかないとストレスになったり、転倒などの事故につながったりすることもあります。


そのため、介助を行う側は、


  • ご本人の状態を正しく理解すること

  • 声かけや動作のタイミングを丁寧に合わせること

  • 介助者自身の身体を守る方法を身につけること

  • 福祉用具や制度を無理なく活用すること


を意識して、「無理なく・安全に・自立を促す」介助を目指していきましょう。


移乗がスムーズにできるようになると、本人も介助者も、気持ちに余裕が生まれてきます。


「今日はうまくいったね」「自分で立てたね」そんな小さな成功の積み重ねが、生活の質を確実に高めてくれるはずです。


無理せず、頼れるものには頼りながら、今日も安心できる介助を心がけていきましょう。


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